三種の神器
皆さん、三種の神器をご存知ですか?
元々は八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の三つを指し、古来から神宝として日本国の象徴である天皇家に受け継がれています。
現代では『家庭生活、社会生活などで貴重な三種類の必需品』のことも
三種の神器とたとえます。
昭和の三種の神器
白黒テレビ
洗濯機
冷蔵庫
昭和30年頃、
家電の三種の神器と呼ばれる白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が登場しました。
この頃の日本は敗戦後であり、
日本の経済力が復興し高度経済成長期に入った時期でした。
これらのうち最も早く普及したのは洗濯機でした。主婦にとって最も厳しい労働と言われたタライと洗濯板の作業からの解放が、いかに望まれていたかがわかります。
また、最も短期間で急激に普及が進んだのが白黒テレビです。
昭和34年からは年々10%を超える伸び率を続け、昭和40年には約90%の家庭で
所有するようになりました。それに伴い、家庭での電力消費量は飛躍的に増大し、電気というものが普及率100%、生活に必要不可欠なものになっていきました。
大卒初任給 | かけそば | テレビ | 洗濯機 | 冷蔵庫 | |
昭和35年 (1960年)頃 | 13,000円 | 35円 | 58,000円 | 24,800円 | 62,000円 |
昭和49年 (1974年)頃 | 78,700円 | 170円〜200円 | 139,000円 | 64,800円 | 102,000円 |
しかし、高価格にもかかわらず需要と人気は高まる一方で、
サラリーマンが競うように購入していきました。
当時、三種の神器はとても高価なものであり、
全てを揃えようとすると年収分に相当すると言われていました。
庶民にとっては簡単に手の届かない憧れの商品だったのです。
電気を販売する優秀な営業マンがいたわけではありません。
便利な家電の普及が電気(電力)の消費量を増やしていったのです。
大きく貢献したのが町の電器屋さんです
テレビ発売当初。街頭テレビで中継されるプロレスの力道山を見るためにたくさんの人が集まりました。
プロ野球のテレビ中継、王・長嶋に日本中が熱狂しました。
70年代にはピンクレディーを筆頭にアイドルが人気になり、歌謡曲番組がいくつも放送されるようになりました。
店頭で映し出される番組を見た人たちが『家でもテレビを観たい』とテレビを購入するようになりました。『プロレスを観たい』『野球を観たい』『音楽番組が観たい』など、コンテンツ先行で家電が売れていくようになったのです。
平成の三種の神器
平成の三種の神器は携帯電話・薄型テレビ・ロボット掃除機。
携帯電話は平成5年〜平成10年に急速に普及しました。
薄型テレビは平成中期より開発が進み、平成23年にアナログ放送が終了、ブラウン管テレビから置き換えられました。
家庭用ロボット掃除機は平成14年に発表され、ロボット掃除機の代名詞である
『ルンバ』も発売されました。
デジタル三種の神器
2003年頃から2010年にかけて急速に普及したデジタル三種の神器。
デジタルカメラ・DVDレコーダー・薄型テレビが選ばれました。
フィルムカメラとは異なり、撮影した写真をその場で確認できるデジタルカメラ、
テレビ放送をDVDに記録したり再生できるDVDレコーダー、薄型テレビも段々と
大画面化して映像も綺麗になりました。
GoogleやAmazonの日本語サービスも2000年に開始され、インターネット利用者が増えたことでデジタル機器の需要が加速しました。
あらゆる三種の神器の発売に伴う電力消費量の変化
1953年にテレビ放送が開始され1960年代には昭和の三種の神器が普及、
1987年に携帯電話が発売しました。
2000年以降はパソコン、インターネットの普及が進みました。
便利な家電が広まると共に、電力消費量も増加していったのです。
2023年の新・三種の神器
2023年、コロナウイルス蔓延以前の生活に戻りつつありますが、コロナにより生活が一気にオンライン化、デジタル化へ変化したため、人々はより効率を求めるようになりました。
スマートフォンと連動できる家電を選んだり、帰宅時間に合わせて家事が終わる
ように遠隔操作したりと共働きの家庭を助けるIoT家電が注目されました。
それでは令和以降の現在は?
現在、昭和における電力量に相当するものは『データ利用量』です。
私たちはデータ量を収益とする事業体ですので、電気を売る仕事と似ています。
過去の事例に倣うことで自ずと戦略が見えてきます。
こちらのグラフでは2000年以降にテレビに変わり増えてきたパソコン・
タブレット・スマートフォンなどの利用率とデータ通信量がわかります。
必ずコンテンツがインフラよりも先行する
現在はテレビに変わり人気を獲得しているVODサービス。
なぜ動画配信サービスが普及したのでしょう。
Netflixの場合は加入者を1年で300万人から500万人に増やした牽引役である人気ドラマ『愛の不時着』。他にも人気グループ『嵐』のドキュメンタリー配信、2021年には最大のヒット作『イカゲーム』にて更に会員が拡大しています。
YouTubeでは『エガちゃんねる』のように、インターネットでしか見ることのできない圧倒的に人気のあるコンテンツが配信されたことによって登録者が増えました。
利用者が増えるためにはコンテンツが先なのです。
データ大容量時代へ突入
昭和当時、三種の神器の便利さに誰もが欲しがり憧れました。
プロレスや野球、音楽番組が観たくてテレビを買った人々の電力量が自然と増加したように、コンテンツを体験し、その便利さ、快適さを実感した世帯のデータ通信量はどんどん大容量になっていくのです。
近未来の三種の神器
生活をより豊かに、より快適にするための必需品が三種の神器であり、データ使用量を増やすコンテンツです。
あらゆるアプリを搭載して自分の好みにカスタマイズできるスマートフォン。
身につけておくだけで体調を管理することができるスマートウォッチ。
自分の好みの動画や番組を好きな時間に見ることができるスマートテレビ。
これらがこれからの生活に欠かせない、近未来の三種の神器になるでしょう。
この近未来の三種の神器を体験してもらう
私たちのビジネスは
電器屋さんのような体験型の拠点を各地に作り
コンテンツを流行らせて導入をアシストしていく
結果的に世帯あたりの総トラフィック量が増える
お客様の生活を豊かに便利にサポートしながら
私たちの収入も増大していく、という仕組みです。